内科部長 角川 浩之

　1997年に山口大学医学部を卒業後、同大学第2内科に入局し、大学附属病院や関連病院で主に循環器内科の急性期医療に携わってきました。急性心筋梗塞や狭心症に対する心臓カテーテル検査、インターベンションや、不整脈に対するカテーテルアブレーション、植込み型除細動器、ペースメーカ植込み術等を多数経験しました。
　そんな中、治療により改善し、再発もなく長期間健康に過ごされる方がおられる反面、残念ながら再発し、救急車で来院される患者さんも少なくはありませんでした。特に高齢の患者さんは自己管理が難しく、内服や食事療法が不十分で再発を繰り返す人が多く、回復期、維持期での管理の重要性を痛感していました。
　心疾患の再発予防のためには、急性期病院のみではなく、回復期や療養型の病院、開業医や高齢者施設等、地域全体で取り組んでいくことが重要です。幸い防府市では、3次救急の山口県立総合医療センターを始め、2次救急病院、開業医など、循環器診療に熱心な先生方が多数おられます。しかし、以前は回復期、維持期の病院における循環器診療は手薄な状態でした。
　私は2011年に当院に赴任し、防府地区の回復期、維持期の循環器診療を強化するべく、力を入れて来ました。その一環として2018年には心臓リハビリテーションを開始しました。運動療法、食事指導、生活指導なども含めた包括的心臓リハビリテーションは心疾患の再発予防、予後改善に効果があることが明らかになっています。
　当院では地域の心疾患診療に貢献できるよう、今後も努力していく所存です。また、外来では心疾患だけでなく、高血圧、脂質異常症等の生活習慣病の診療も行っています。ご気軽にご相談ください。